街はゴールデンウィーク最後の日。

おれは五月病になる暇もなく、

今までの生活で眠りにつくような時間には家をでて、明るい時間には仕事を終えてコーヒーでも飲んでる、みたいな生活をしてる。

だいたい平日は毎日、神宮前の辺りのオムライスが美味い喫茶店で働いてる。

日曜日は今までどおり夜の中野のバーだ。

少なくても週6日は働いてるけど、今まで週4日、夜働いてた頃よりは明らかに稼げない。

すこしのんびりとしたペースの生活だ。

毎日夕方には仕事が終わって、渋谷原宿あたりの洒落たカフェでコーヒー飲んだり、入会したばかりのフィットネスジムに行ったりしてる。

昨日家の居候もニューヨークへと旅立って、

部屋がとても広くなった。

おれも少しずつ節約しつつ貯金して次の旅に早く出たい。

 

 

熱気のベトナムから帰ってきて

少しの時間が経った。

もうだいぶ色々なギャップにも慣れて

東京ですっかり平和ボケしてる。

東京に慣れてしまうと、すこしスリルや混沌に飢えてきて、次はどこに行こうかとか考える。

週に1回2回くらい働いてあとはしばしのニート生活を楽しんでる。

夜の生活を少し早くして、今まで面倒だった銀行やら役所やら行って色々溜めこんだ手続きをしたりしてる。

職場はまたベトナム人が勢力を盛り返してきていて、日本に帰ってきても相変わらずベトナム人に囲まれてる。

自分がベトナムを見た上で思うのは

あんな所からひとりでやってきて、こんなにも違う国で、そこの言葉を覚え仕事をしてる彼らへの大きなリスペクト。

みんなすげえな。

3月の東京は思ったよりも寒くて、南から帰ってきたおれには少しきつかったけど、

やっとだいぶ暖かくなって、

今年も哲学堂の桜がとても堂々と咲き誇ってる。

今年こそは花粉症になりそうな気がしてる。

 

 

 

もうすぐ日本に帰る。

今は夜中1時過ぎ。フライトは5時55分発。

時差2時間足して14時前には成田に着く予定だ。

今日までいた宿を昼にチェックアウトして

ブイビエンをすこしぶらぶらして、

空港近くのホテルにきた。

今日ホテルをとるつもりはなかったけど、

まあ時間も長いし、休憩用にとホテルを予約したんだ。

空港周辺だからすこしリッチなホテル。それでも中では安い部類。

まあ今までのどの宿よりもリッチで洒落てる。

深夜チェックアウトもできることを確認した。

エレベーター、クーラーも効く、シミのないシーツ、熱いくらいのホットシャワー、

これで一泊23ドル。安いもんだ。

最後にしっかりシャワー浴びてすっきり。

この旅が終わろうとしてる。

2週間、一瞬だったけど、長かった。

結局ハノイホーチミン1週間ずつくらい。

 

頭おかしくなるベトナムドンの桁。偉い政治家のおっさんと食べた最高の焼き鳥。まさか東南アジアでのバスタブ。旧市街。エッグコーヒー。あまり美味くないソーセージ。スリ続出のボロ宿。エビチャーハン。1杯25円のビアホイ。高級なハンバーガー。週末のホアンキエムレイク。かわいいお姉ちゃんのいるロシア式サウナ。ナイトマーケット。商店のおっさん。ブイビエン。わりとレベルの高い味噌ラーメン。甘いブラックコーヒー。さびれた国内線。うるさい宿。サイゴン。333。むんむんのベンタイン市場。スリ。宿のおばちゃん。激ウマケバブ。スリリングなバイタク。まずい煙草。水滴したたるクーラー。偽物のレイバン

 

ホーチミンは暑かった。

ハノイは夜なんかかなり涼しかったから舐めてた。

今まで旅した中でも1番南くらいだしそりゃ暑いわ。

ベトナムは特にトゥクトゥクがいないのはちょっと大変。意外とタクシーも捕まらなかったりする。トゥクトゥクだと目が合ったら自分から来てくれるから楽。

ゲストハウス的な安宿が町の規模に比べて少ないように感じた。シーズンだったからかもしれないけど、直接行って交渉、という感じもなく、前日ネット予約でギリ、みたいな感じだったりした。シーズンなのかな。

交通量もすごかった。インドよりは信号があったけど、車のすごい数よりバイクのすごい数ってなるとエグい。

テトリスみたいに隙間さえあれば詰めていくからね。

あとはやっぱりお金。ドン。ややこしい。

100円がだいたい20000ドン。町ではだいたいゼロ3つ省いて20000ドンを20kと表示してる。口でもそういう。コンビニで買う500mlの水が5000ドン。店で飲むビールが25000ドンくらい。ちょっと洒落た店のパスタが130000ドン。という感じでゼロで目が眩む。

それに観光客相手だとドルで言ってきたりするからややこしい。

まあとにかく物価は安い。タイとかよりももう少し安いかな。

まあとてもいい人が多くてみんなエネルギッシュなんだけどやっぱりおくゆかしさがあって、そこは日本人に通ずるところを感じた。

ホーチミンは電車通そうとしてるのも含めて工事が多く、本当に発展の真っ只中さを感じた。

英語は思ったよりもみんな喋れるけどやっぱりすこし場末に行ったり、お年寄りには通じない。

食べ物は基本的にヘルシー、だけどどんなものでも食べるのがすごい。肉もなんでも食べる。

あとは思ったよりパンみんな食べてた。フランスパン。

コーヒーはうまい、けど甘い。ブラックコーヒーにも砂糖が入ってる。エッグコーヒー、スイーツ的で最高だった。

 

たった2週間。いつもよりも短い旅だったけど1人になるには充分な時間ではあったな。

とりあえずそろそろホテルもチェックアウト。

荷物整理して空港に向かおう。

あと4時間くらいでフライト。

最後の大仕事だ。

 

 

ホーチミンでスリにあった話

 

旅ももう10日くらい。

ハノイから飛行機でホーチミンにきてる。

やはり立地が大事だと思って中心地、バックパッカーストリート、ブイビエン通りから路上を一本入ったような安宿にいる。

ブイビエン通りは飲み屋やレストラン、ツアー会社にマッサージとまあバックパッカーが集まるようなストリートで、

昼間は静かだけど夜になると爆音で音楽がかかって白人の若者が酔っ払ってはしゃぐ。

バンコクカオサン通りとまではいかないけど、かなり盛り上がってる。

通りのど真ん中は特にクラブとかイケイケな飲み屋しかなくてもう少し落ちついたところで飲みたいおれは、

通りの端に近い、すこし落ちついたカフェバーなんかで飲んでる。

今日も夕方暑さに負けて飲み屋に入った。

まだ明るい時間、客はまばらだった。

だいたい煙草を吸うし気分がいいので外の席に座ってビールを飲む。

今日もいつものように席に座り隣の席にリュックを置いた。

注文したビールを1口、2口と飲んでたその瞬間、一瞬の衝撃とともにおれのリュックが消えた。

横を狭い路地に面した端の席だったんだけど、いつもはバイクなんか通らないその路地を、一台のバイクが勢いよく通り過ぎる瞬間におれのバッグを引ったくっていった。

一瞬頭が真っ白になって、そのことを理解するころにはもうバイクはいない。

やられた。旅はいつも東南アジア。

一番気をつけていることがスリだったんだけど、気を抜いたというよりそれがあまりリアルではなかった。

こうゆうことか、という感じ。

まあまず一つ間違いないことは、だせえ。

気をつけてはいたので携帯、財布なんかは全部ポケットに入れて、どっちかというとこっちの方をいつも警戒してた。

盗られたのはなんだ、恐る恐る思い出す。

最高に不幸中の幸いだったのはパスポートが入ってなかったこと。

今いる宿はたまたまチェックアウトまで預けておくシステムだった。

根拠もなくスられるよりリュックは背負ってるから、開けられて盗られることに注意してたのでパスポートはリュックの奥に入れておくことがよくあった。

これはとてもラッキー。

それに宿の鍵も今日はたまたま部屋の掃除をお願いしたので預けてきた。

一番の打撃はカメラだ。別に高いわけでもなく友達にもらったオンボロだけど、今日までの旅の写真がいくらか入ってた。

それに、携帯のポータブル充電器、これも値段じゃないけど旅には心強い。

それに日本で使ってたSIMカードだ。

さっきAUに電話したらSIMカードはわりと簡単に再発行してくれるみたい。

あとは今日ベンタイン市場で買ったTシャツと日本から持ってきた煙草くらい。

まあ被害は少なかった方だろう。

まあショックはそれなりにあったしヘコんだ。

腹が立ったり恐怖感だったりいろいろだ。

まあでもお金、携帯、パスポートが無事なら余裕でなんとかなる。

それとこれからもいろんなところに行くであろうおれとしてはいい勉強だし、

東南アジアを攻めるなら1回くらい経験しておいた方がいい類いのエピソードでしょ。

タイでオカマに騙されかけたのもそうだけど。

という見方をすれば現金もパスポートも失わないで 箔 を手に入れた、みたいな感じだ。

もちろん反省もしてるけど。

荷物が入るからサブバッグをリュックにしたのも、わりと不安があったし、

やっぱりショルダーの方がいつも身につけていられるし前で持ってられるから安心ではあった。

明日あたりベンタイン市場とかで斜めがけの良さそうなバッグを探しに行こう。

パスポートなんかは首から下げたり腰に巻いたりする貴重品入れがあるだろうし、

本当はズボンのポケットだってファスナーがついてた方がいいだろう。

想像がつくことからセキュリティ固めていこう。

リアルに体験できて良かったということかな。

日本ではよほどほったらかしにすれば盗られるけど、目の前で持っていかれた。これがベトナムだ。そんな国の方が多いだろう。

とにかく多少の被害はあるけど、体が無事で旅を続けれる状態でよかったし、

こういう状況になってみると、とてもシンプルで身軽な気持ちになってくる。

意外と必要なものってなくて、物にとらわれているのもあまり気持ちよくないということがわかってくる。

カメラで撮った素敵な思い出写真よりもこの体。経験があればいいということ。

物理的には海外にいる上で、パスポート、お金、携帯、あと充電器とか携帯周りのもの、

があれば余裕で旅ができるんだろう。

とにかくださいけど、これに屈せず遊ぼう。

こんなことに怯えてたら東南アジアは楽しめない。警戒はしても怯えちゃいけないって事だろう。今までのおれは逆だったんだろう。

しっかり警戒、対策をして、しっかり遊ぼう。

日本帰るまであと5日くらい。時間は少ない。

とりあえず明日は新しい宿に移動する。

これが最後の宿になる予定。

どこかで蚊に刺された、かゆい。

虫除けスプレーもスられちゃったからなあ。

 

 

 

 

 

 

 

ハノイにいる

ホアンキエムの中心に近い安宿にいる

シャワーが1フロアに1つしかないから空き待ち

ハノイも3日目だけど、なんだかもっと長い時間を過ごしてるような気がしてる

昼間はホアンキエム湖の周りを歩いてご飯食べ、道端のカフェでエッグコーヒーを飲んだり、夜は旧市街を歩き、屋台で焼き鳥や揚げパンをつまんだり、数十円のビール飲んだりしてる

昼間はなかなか暑い

夜はTシャツに短パンでちょうどいいくらいだ

旧市街の雑多さはいままでみてきたアジアの中でもトップクラスでなによりバイクが多い

今は週末でナイトマーケットもでてるから人も多く歩いて移動するのも一苦労

食べ物は肉が美味い

道端で焼いてる焼き鳥もそうだしブンチャーの豚の味も最高

ハチミツ揚げパンも美味しい

焼き鳥とかパンとかだいたいひとつ5000ドンくらいなんだけど

ベトナムドンは桁が多くてまだ計算がぱっとできない

さっき10000円を両替したら2050000ドンになった。

ゼロの数に目が疲れる

ハノイの人たちはわりと人当たりがよくていい人が多い

物売りなんかもそんなにしつこくないし

もの静かでにこやか

明日この宿を出るけどまだ先を決めかねてる

明日はどっちだ

とりあえず汚いシャワーで汗を流してこよう

ベトナムイン

 

 

処はベトナムハノイにいる。

今日の夕方 羽田を出発した。

羽田からの海外は初めてだ。

ベトナムエアライン、激安だったから期待してなかったけど、久しぶりにモニターも付いていて狭いけど快適な移動だった。

ひますぎて 君の名は  を観た。

在日ベトナムと日本人観光客のハーフアンドハーフというかんじの客層に

アオザイを着たCAさん、というなかなか悪い気はしない感じだ。

心配だった腰もひとまず大丈夫。

6時間弱でハノイ、ノイバイ空港についた。

東南アジア特有の熱気が懐かしかった。

ここでの最大のミッションはSIMカードだった。いつもポケットワイファイだったからSIMは初の試み。

とりあえず無愛想なお姉さんに設定してもらって今こうして普通に使えてる。

そんなこんなで時間は10時を回ってる。

なにも考えてないけどとにかく市街地に出ようと思った。

声をかけられた怪しいバンに乗り、人が溜まるのを待った。アジアのバスやらは人が集まり次第発車パターンがよくある。

バスといってもふつうのバンだ。

後ろに日本人のおじさんが乗り込んだ。

それともう一人ベトナムの青年が乗って、痺れを切らして3人だけを乗せてバスは走りだした。

郊外の町並みはカンボジアやタイのそれとほとんど同じ雰囲気で少し帰ってきた感があったのがおもしろかった。

後ろのおじさんとちょこちょこ話す。

ハノイは初めてな上にこの深夜で自分で今日の宿を決めようとしてると伝えると

ハノイに慣れたおじさんはとても心配して、今日おれが泊まるホテルに一緒にこいと言って

おれがぼーっとしてるうちにしっかり交渉してその宿におれの部屋を押さえてくれた。

いつもならすこし鬱陶しく感じるかもしれないけど旅の始まりに不思議な縁を感じていたのかあんまり悪い気はしなかった。

それにその上今から地元の人御用達のビンミンを食べに行くというので付いて行かせてもらった。ビンミンはベトナムの焼き鳥ででかい手羽を串に刺して甘いタレを塗って焼いたやつと、ぺったんこにしたフランスパンをこれも串に刺してハチミツをぬって炭火で焼いたやつ。

鳥好きなおれだけど今まで食べた焼き鳥のなかでもベスト3には間違えなく入る味だった。

閉店間際滑り込みで入ったこの店は特に美味いみたい。

話を聞くとこのおじさん、ミャンマー首相補佐官というよくわからないけどすごい人、

今回はベトナムの偉い政治家との会談でハノイに来てるらしい。

とても不思議な縁であったなんだかすごそうなおっさんと鬼美味焼き鳥とビールを楽しんだ。

おっさんが取ってくれたホテルもいい感じ、シャンプーやカミソリ、アメニティーにドライヤーまである。80万5000ドンとちょっと高いから今夜だけ、明日昼にゲストハウスを探そう。

ベトナムドンは単位が大きすぎて訳わかんないけど80万5000ドンは4000円くらいかな。

とりあえず新しい旅が周り始めた。

2週間後に南の都市ホーチミンから日本に帰ること以外はなにも決まってない。

とりあえず今日は調べもので忙しい。

 

 

2月も終わろうとしてるのに東京はまだまだ寒い

佐野元春の都市型のビートロックを聴きながらコーヒーを飲んでる

わりとハードコアめの腰痛とは騙し騙し共に生活してるけど今週末にベトナムには連れていきたくはない

仕事は明日行ったら終わり

もう3月、みんなどんな感じでしょうか

おれがベトナムにいる間に

子供のころからの友達は結婚式をして

おれのひいじいちゃんは四十九日で墓に入る

その頃おれは東南アジア特有のもったりとした熱気の中、サイゴンビールでも飲んでるのだろうか

帰ってきたらしばしのニート生活と東京の春の風が空港まで迎えにきてくれるんだろうか