雨を見ている

 

 

雨を見ている

昼過ぎの温いコーヒーを飲みながら

まずい煙草   吸いながら

雨を見ている

 

はっきりしたことなんて

なにひとつないけど

クメールの風に 雨音が

舗道を濡らす雨が

この町に鮮やかな色をつける

 

なにも探しちゃいない

ただ少し自由になれたような気がしただけ

気のぬけたスプライト

おれはおれを旅の道ずれに

おれの住む街からどこか知らない場所へ

 

どんな気分?

1ドル札の真ん中で

ふてくされたような顔したおっさんが

ボブディランみたいに聞いてくる

おれは雨をみている