4時。一番良いくらいの時間。
暗い部屋でソファベッドに横になって
煙草の煙をくぐらせている
ついこの前からおれの部屋にしばしの居候がきたのでおれの部屋は真っ二つになってる。
パーテーションの向こうから少し寝息が聞こえる
一応今年も終わるみたい。
完全についていけてないおれはまだ年末の感覚じゃないな
年末、飲み屋の仕事は馬鹿みたいに忙しく、もう4回目の12月だけど、いつまでも嫌んなる。
本当は年末の世の中の空気感はけっこう好きだ。
あと2日くらい働いたら年末年始の休みに突入する。4日間。今年は長め。
年明けに飲み会的な予定がいろいろ、それに大晦日、元日はみんなで鍋でもやって、年末年始特有の漫才番組でもみながらへらへら笑ったりするのに忙しい。
年末ってことで一応 今年 という括りで振り返るんだけど出来事的にはほとんど覚えてない。
中野から地元 池袋に戻ってきた。
池袋という街のサイズで育ってきたからやっぱり今でもちょうどいいし、変わってるんだけど結局変わってねえなあみたいな感じで落ち着く。
まあおれの故郷だし、わかんないけど静岡で育った人が富士山が東名高速に乗って富士山が見えてくるとほっとする、みたいな感じで
おれは東武デパートやビックカメラのビルを見ると懐かしくて落ち着く。
先のことはわかんないけどまたしばらくは池袋がおれの遊び場になる。
そう、今年はタイとカンボジアに行った。
去年のインド修行に続いて第2弾だ。
インドのパワーに圧倒されて、一旦次はヨーロッパとか綺麗なとこに行こうと強く思ってたけど気がついたらタイ行きを決めてた。
インドもそうだったけどタイも行く理由はない、なんとなくだった。
まずおれはタイ料理もあんまり好きじゃないしね。
バンコクは聞いてた通り大都会で真新しいビルは林立していて東京育ちのおれでもなに不自由ないくらいの街だった。
それに東南アジア独特のカオス感とエネルギー。居心地が良すぎてバンコクに沈没しかけた。
バスで国境を超えてカンボジア。
タイより遥かに田舎、大草原。
アンコールの遺跡群も果てしなく勇ましかった。
来年の3月はベトナムに行く。
そう、また東南アジアだ。
それにまた、なんとなくだ。
完全にアジアに呼ばれていると思う。
なんとなくに流されるのは怖いけど、
自分の中のしっかりとしたなんとなく、は
なによりも信用できる。
インスピレーションとかいうやつだろうか。
今年は特に自然とそんなことがテーマだったような感じがする。
なんとなく大丈夫だとおもう、とかなんとなくこっち、みたいな自分の感覚で暮らすという感覚に楽しくなっている。
自分というものにどっぷりな感じ。
自分の感覚と経験がとにかく何よりのおもちゃであって武器でもある。
それだけあれば物も要らない。
だいぶ荷物を減らした。
理想は寅さん。カバン一つでいい。
一つを突き詰めることも魅力的だけど、いがいとすぐ寿命もきそうだし、とにかくいろんなことをどんどんしたい。
もう3年以上飲み屋でなんちゃってバーテンダーをやってるけど、2月で辞める。
これ以上やるのは時間がもったいない。
なんでも他のなにかがしたい。
その思いは前からあったけどそれが溢れでたような感じでかなり強引に辞めることにした。
そしてその次の日にはベトナムに行く。
その後はなにも決めてない。
新しいなにかが待ってる。
それだけ決まってればいいじゃん。
かなりなんとなくで暮らしてるけどなんとなくは自堕落とか諦めじゃない。
大切なものを優先にやれてるということ。
今年もなんとなく生き抜いた。