男のかっこよさ

 

アメリカのロックバンドに The Band というバンドがいる。

1960年代の終わり頃に出てきたバンドだ。

"アメリカンロックの最高峰" なんて言われたりしている。

おれはザ・バンドが大好きだ。

核である部分以外を削ぎ落としている彼らのスタイルからは男のセクシーさを感じる。

時代はサイケデリックサウンド全盛。

楽器も多ければ音も多い。(そんなのはそんなので好きだけど)

その上だいたいバンド名も長い。ジェファーソンエアプレーン、クイックシルバーメッセンジャーサーヴィス、ヴェルヴェットアンダーグラウンド、どれも長ったらしい。(全部カッコいいし最高)

そんな中に ザ・バンドだ。

バンド名からのイメージまでも排除されていて、むしろ、もう少しちゃんと考えたら?と言いたいくらいのそのバンドのサウンドはまさに間を楽しむ音楽だ。

楽器も最低限、バスドラムの弛みがしっかりと聴こえるくらいの音の薄さは男臭くてたまらない。引き算の音楽だ。

外側から減らしていくのは度胸がいるし、おれは身を削いでいく男らしさみたいなものには断然弱いということだ。

 

例えば男はつらいよの寅さんだってカバン1つでフラフラとしてるからかっこいいんであって、毎回旅に出る度に、「兄ちゃん旅に出るよ、荷物は明日クロネコヤマトが取りに来る。」なんて言われたらさくらも泣くに泣けないだろう。

身一つで生きている。という男のセクシーさだろう。

女は多少着ているくらいが一番セクシーだけど(当社調べ)、男は脱ぎ捨てれば捨てるだけセクシーだと思う(精神的にね)。

引ける男はかっこいい。

 

飲み屋でちょっと頭の弱そうな女が「結局男は白Tにジーパンが似合うかどうかだよねぇぇ」と言っていたのを思い出した。