値段と味

 

"高いものは美味い "

というセオリーにこちら側が帳尻を合わせ、「やっぱり高いだけあって美味しかった」

ということにしてしまうような事がある。

結局味覚なんかは雰囲気や値段に左右されてしまうようなガバガバなもんなのだ。

不味いものは平等に不味いでいいじゃん。

 

酒は良い例だ。市販の同じウイスキーなんかでも飲む店によっては1ショットが安い店のボトルと同じくらいの値段になるだろう。

それはその店の環境、雰囲気、グラスや提供の仕方である種 騙す  ようなところがある。

全く同じもの(ロックや割りものであれば氷、やソーダで味は変わるが)を出すんでも、美味い店と不味い店が存在する。

 

最近友達と飲むと2〜3件で 200円バー という店によく行く。

おびただしい種類のカクテルがすべて200円で飲める。

内装はまあ少しカジュアルなバーで、見ていると材料の酒も、バーテンダーの技術もそんなに悪くない、カクテルもしっかりつくられている。

普段飲む事の無いようなカクテルを値段を気にせず次から次に頼めるのでなんとなく楽しいが、なにかが足りない。

酒のランクも、レシピも申し分ないんだけど、きっといつものように背伸びをして飲む、というフィジカル面での違いだろう。

少し後ろめたさを持って飲むと美味い。

許されてしまうと冷める。

おれはヤクルト好きだった子供の頃、始めて500mlのピルクルを飲んだ時のがっかり感を思い出した。

やっぱり 高いものは美味い というセオリーは味覚をねじ曲げつつ、できる限り守っていこうと思った。