4時 夜
CHICAGOのブラスが聴こえてきそうだ
異常な春に、こんな風は似合わないし
だけど、それも異常のうちだろう
青い煙に、退屈なネルシャツ
Sukhumvitから豊島区要町
ハーフパイント弱のシリアス
安っぽい映画でみたような川沿いの街
こんな夜だ
生温い風と誰かのクラクションが
湿気ったビルの陰まで押し寄せると、
まるで自分が、沢木耕太郎にでも
なったかのような気持ちになる
コカコーラの缶を灰皿にして
寝転がったまま、欲望みたいな煙を
天井に塗り込める
チープなスリルと煙草の空箱が
なんとかバランスを取ってる
砂埃のバスとJoni MitchellのBlue
どこか遠くに行ったような気になって
山手通り ナグチャンパの匂い
大きな夜が白んでる
少しずつ、もう少しずつ