5月。
珍しく昼間。
もう夏がきてるじゃん。
年間360日くらいは居るマイスウィート池袋だけど、昼間はあまり知らない街みたいでどこか馴染めない。
もちろん馴染む必要もないし、馴染めないから居心地悪いわけでもない。いや、まあ少しはあるけど。
いつも通っている道の色が全く違うのがおもしろい。
池袋ってこんなことやってんだ、こんな人たちがいるんだ、みたいな。
西口のマクドナルドのピックアップのカウンターは、商品番号がずらっと並んだスクリーンを見つめる人で歩道まで埋め尽くされて、場外馬券場よろしくやってるし、
ロータリーでは特設ステージで町会かなにかのオヤジバンドがこじんまりとしたジャズをやっていた。
ジャズってこんなんだったか? まあいいや。
昔、朝まで飲んだくれて友達といっつも "夜しか泳げない" を歌っていたよなあ。
これは日本のトムウェイツ、SIONの歌だ。
真夜中すぎの中央線の街で酒を飲んでいるようなシチュエーションにはSIONがぴったりだ。
未だに昼間は上手く泳げないでいる。
世の中には なんで? が多い。
その出来事や行為に、なんで?と興味をもつことは素晴らしいと思うけど、
世の中、特に人の心なんて理由ができないことが多いと思う。なんでかは知らんけど。
おれは "なんとなく" を立派な1類の理由として使っているけど、その答えに表情が曇る人が多い。
みんなきちんとした理由を欲しがる。
今度から困ったら全部 「宗教上の理由で…」とか言っておこう。
暑くなってきたからか、無意識にレゲエやスカをよく聴いていることに気がついた。
シュガーマイノット、ジャスティンハインズ&ドミノズ、バーニングスピアー。
みんな最高にゴキゲンな民族音楽だこと。無いものねだり。
いつかの夏に横浜のシーサイドで観たジミークリフは最高だった。
中野サンプラザで観るボブマーリーより(もちろんめちゃ羨ましい)太陽の下で観るジミークリフのほうが贅沢だと思ってる。
それはきっとガード下の飲み屋で高級フレンチ食べても美味しくないだろうってのと同じ理屈。
レゲエを聴き始めたのはそれがきっかけかもしれない。
もうそろそろアジアの旅ができそうか。
東南アジアのハブなだけに特に慎重だったタイもほぼ入国制限はなくなった。
国境もかなりオープンしてきている。
これはもしかしたら奇跡的にクローズが先延ばしになっているバンコクのフワランポーン駅からイサーン、ラオスの旅ができるかもしれない。
フワランポーン駅がおれを待ってくれているみたい。
今を逃すともう二度と見れない景色がある。
あまりにも突然に状況がかわったりする。
中東なんて今じゃ観光なんて考えられないけど、ちょっと前まで楽園のような素敵な場所がたくさんあったみたいだ。
いつか回復すると信じているけど4年くらい前に行ったミャンマーも、今ではそれどころではない状況だ。
素晴らしいロックンローラーも。
特におれが好きな人たちはみんな高齢だ。
清志郎が観られなかったことは最大の心残り。
でもそれ以上に、ギリギリみんながいるラッキーな世代という実感もある。
ローリングストーンズもポールマッカートニーも生で観た。
まだ10年も経ってない頃の話だけどストーンズにはもう、チャーリーもリサフィッシャーもいないんだぜ。
ロバートプラントもセックスピストルズもこの目で見ることができた、なんて奇跡みたいなことなんだろう。
シーナ&ロケッツもシーナが亡くなる1年くらい前に観ることができた。
あと10年生まれるのが遅かったらほとんど観れてなかったかもしれない。
会いたい人には会えるうちに。
カフェのトイレが一生開かない。
けっこう広い店なのに男女1つずつしか無い上に、毎日来るじいさんが1時間のうち30分くらい独占する。
1時間のうちに10分以上のトイレを2回も3回もいくのだ。
この謎行為のおかげで男子トイレはいつも行列だ。
賢いおれは並ぶことの意味の無さを見抜いているので1時間にトータル5分くらいある、空いているタイミングに尿意を合わせにいくようにしてる。
映画の前に一応トイレ言っとくか、の感覚。
開かずの踏切かよ。
井上陽水 あかずの踏切り