6月。日曜日。
渋谷の喫茶店。
新宿でいうタイムスみたいな煙草の吸える喫茶店。
池袋には煙草の吸えるオールドスクールな喫茶店ないよなあ。伯爵もだめだし。
すでに席でコーヒーを飲みながら煙草が吸うということがちょっと新鮮になりかけてる。
適応能力の高さ。
コーヒー&シガレッツって映画が好きだ。
ただコーヒーとタバコをやっているだけの映画。モノクロなのがまたいい。
トムウェイツとイギーポップがだべってるシーンなんか最高だ。
珍しく渋谷にきている。
お小遣い稼ぎにアンケートに答えにきて、そのお小遣いをTSUTAYAに落としてきた。
おれが渋谷に来るとほとんど必ずTSUTAYAでCDを借りて帰る。
今回はロンバケの40周年版が特に楽しみだ。
最近はストイックに図書館でCDを借りて、きびきびとパソコンに取り込んでいるんだけど、あまりにも次々に欲しい音源が手に入るから、聴ききれなくなりかけてる。
そろそろストップしようと思いつつ、だ。
とにかく素晴らしい音楽が山ほどある。
おれの大好きなロックンロールとリズムアンドブルースだけでもとても追いかけきれないくらい。
50年選手のおじいさんたちはみんな今でもバリバリにかっこいい上に、リアルタイムでもかっこいい人たちがじゃんじゃん出てくる。
リスナーはとにかく忙しい時代。
ポールマッカートニーが80歳になったらしい。
ビートルズが80だぜ、やばいよね。
おれが出会った頃にはもうおっさんだけど、
ずっとビートルズとかストーンズを現役で聴いているおれからすると、彼らはずっととっぽいお兄さんなのだ。
スプリングスティーンもジョーンジェットもチャボも鮎川誠も、世代的にいえばおれのじーちゃんばーちゃんの世代だけど、おれにとってはみんな兄ちゃん姉ちゃんだ。
それでも80歳はかなりいい歳。
ポールもストーンズもピートもまだまだやってくれ。
東南アジアがどんどん開国してきた。
タイでは来月から、ワクチンを打ってないおれでもパスポートと陰性証明書だけで入れるようになる。
マスクの義務もなくなるし、そろそろ現実的に遊びに行けそうだ。
新しいパスポートを申請してきた。
2年半、東京での隔離生活に耐えた。
今までの暮らしに戻るだけだけどこんな日常からすれば、丸腰でアジアに飛び立つことができるということは、なんてドラマチックで自由なことなんだろう。
とにかく、なんとなくの旅の計画を立てたりしはじめたりすることが新鮮に感じてる。
東京の暮らしに慣れきった体じゃあ、また現地のごはんでお腹壊すところから始まるのかな。
最近、みんな他人になにかを求めすぎている気がする。
特にコロナ禍なんかでもあるけど、自分の価値観を他人にあてがってみたり、潰し合おうとしているような。
他人に求めるということはどこかに希望があるという感じがする。
それだけみんな希望を求めている状況なんだろうと思う。
世の中に踊らされたりせず、ぜんぶ自分で考えて選択しているってこと。
みんながやってるからやる、とかもそれを選んだのは自分だってこと。
違う選択や価値観があることを尊重する。
自分の価値観を雄弁に語る必要もなく、ただ自分は自分を面白おかしくやれるようにだけ考えていればいい気がする。
それは自己中ということじゃなくてね。
みんなが楽しいほうが圧倒的におれも楽しいからね。
たくさんの人のフラストレーションとか、どんどん変わる今の世の中の情勢。たくさんの状況。遠くの国の争い。
街にもとにかくたくさんの物事が目まぐるしく、ほこりに混じって舞っているみたい。
みんな体に気をつけて楽しくやろうね。
湿った靄のかかった東京からランナウェイする、今の気分で。最高に乾いていてゴキゲンなロックンロールを。
(I'm Gonna) Run Away / Joan Jett and the Blackhearts