スコールで足止め。
咄嗟に入ったインド系のレストランでバナナラッシー。
ここはラオス。世界一なにもない首都、ビエンチャンは夜の始まりを雨雲が包み込んだ。
ナイトマーケットは手早く撤収。
ラオス最後の夜の予定だ。
旅を始めて2週間。ラオスを10日くらい旅した。
明日、国境を越えてタイに入る予定。
すぐそこを流れるメコン川の向こう側はタイ。
500メートルも向こうにタイが見える。
2年半のタイムラグは一瞬で埋まった。
2週間も毎日、移動手段や今夜の宿、いい店や安いビールのことに集中していれば
とっくに旅が日常になってるわ。
観光客も戻ってきているみたいだけど、バックパッカーみたいな人や一人旅の人をほとんど見ない。
例によって町を歩こうがレストランに入ろうが、ひとりぼっちのやつなんておれくらいのもので、それが心地よくもありながらたまに寂しくなったりもしてる。
美味いものも素晴らしい景色も、言葉にして誰かに共有することができない。
周りではファミリー、カップルがその場を共有してる。
沢木耕太郎の言葉、「旅の道連れは自分自身」ってのを心得てるつもり、だけど。
特に英語の話せる人の少ないラオスでは、親しい話相手ができるわけでもない。
まあそんなもんなんだ。一人旅。
逆に一人だから味わえる感動や景色もあるし、一人だからこその不安。これに旅のフィーリングのほとんどが詰まっていると思う。
驚くべきことに、旅を始めて2週間。
ビールに氷をガンガンに入れて飲んでるし、
食べ物もなにも気にせずばくばくとやってるけど、今のところお腹を壊してない。
どころか日本にいる時よりも安定してる。
今朝までエアコンのないムンムンとした部屋に泊まり、必然的に2晩、ファンを全開で寝た結果、鼻風邪をひいたくらいのことだ。
どうしても鼻は弱いんで想定内。
数年かけて体がつくってきた旅の免疫は2年半の時間をもろともしなかった。
この免疫のある体はパスポートの次くらいに大事で、おれの中では運転免許なんかよりも大事で誇らしい能力だ。
なんでもばくばく食べて、ぎゅうぎゅうバスの長距離移動。トイレと一緒になった水シャワーで1個の石鹸で全身洗う。
タフに旅できていることが我ながらやるじゃんって感じだ。
明日からタイの旅が始まる。
相変わらず小まめな移動の連続、毎日炎天下。
少し気合いを入れ直して。
大都市バンコクを目指して。
バンコクの二郎系ラーメンを目指して。