7月だ。

梅雨真っ只中だけど今月に入ったあたりからか、どこか夏のフィーリングが混じってきた。

 

 

なんだかんだで7年働いたバーを卒業した。

それは特に明確な理由はなくて、なんとなくやり切った、というような類いの感覚だ。

荷物を一つ下ろして身軽になったんだ。

 

 

なにかと悩ましいこともありながらも、わりと飄々とこなしたように思う。

何処かで仕事していればずっとついて回るだろうけど、

ひとまずここからは、一緒に居たくない人とは無理に会わなくてもいいし、

これからも会いたい人とはよりシンプルな関係で会えたりするようになるんだろう。

小さな店でありながらも入れ替わりが激しかったりもして7年間、きっと40、50人とかのひとたちと働いたと思う。

ただのバイトでありながらも、その多くの人のほとんどとは 先輩 という立場として見られてきた。

とにかく最後まであまり慣れない立場だ。

何事も人が違えば、当たり前になにもかもが違っていて、

付き合っていくうちに、いい距離感を自然に見つけていって、ちょうど仲良くやれる人もいれば、こっちの気持ちをどう伝えても、ミットを構えてさえくれない人たちも結構いて、まあ自分の人間としての技量を思い知らされたという感じか。

 

飲み屋で、同じ店で働くということで、

7年間夜の中野を、中野の人たちを見続けてきた。

その数年間でも東京も変わり、人も変わっていくのを体感していられたのは面白い社会勉強だった。

結局、景気がどうだとか興味のないおれには、酒飲みの人たちの顔色や雰囲気で、社会を感覚的に見るというのが一番わかりやすい。

 

 

今年の夏は、なんでかいつもより気分じゃないというか、基本夏好きのおれとしてはあまり気分が乗っていない方だ。

まあ爽やかなAOR、Ned Dohenyでも聴きながらなんとなくやろう。